理事長挨拶

理事長挨拶

中山健夫理事長

 

NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会
 理事長

 中 山 健 夫

 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻
 健康情報学分野 教授

 

―「科学的エビデンス」から「物語」へ―


 皆さま、いつも本NPOの活動へのご理解とご支援をありがとうございます。
 このたびホームページを刷新するにあたり、改めてご挨拶を申し上げます。
 2024年は本NPOにとって記念すべき一年でした。初代理事長であり、現在は特別顧問を務められている西村周三先生が、瑞宝中綬章を受章されました。7月には関係者が集まり、盛大に祝賀の場を設けることができました。また、2代目理事長・森谷敏夫先生の革新的なアイデアから生まれたEMS(筋電刺激)は、「MyMed EMS」として結実し、先生の志に共感する多くの方々との協働のもと、着実に社会実装が進んでいます。
 一方で、生成AIはこの2年余りで目覚ましい進化を遂げ、私たちの生活や社会に大きな影響を与えつつあります。コロナ禍で広がった遠隔コミュニケーション技術の恩恵とあわせ、日々の暮らしの中で新たな可能性が広がっています。振り返れば、イノベーションは人の可能性を引き出す力を持っていると改めて感じます。新しい技術や発想に触れることで、失われた元気を取り戻し、自分自身を再び信じ、笑顔を取り戻していく――そんな姿に、私たちは何度も出会ってきました。
 これまで私たちは、「科学的エビデンス」に基づいた確かな情報を大切にしてきました。
これからは、そこに「物語」という視点を加えたいと考えています。
人は誰もが、それぞれの物語を生きています。ときにその物語は「人生」と呼ばれ、希望や葛藤、再生が刻まれていきます。
 
 科学的エビデンスに基づく新たなヘルスケアが、人生という物語をより豊かに描き出す支えとなるように。
 その歩みに、皆さまと共にあることを心より願っております。

2025年5月17日